あなたは『ワーキングホリデー』の本当の姿を知っていますか?
海外で働きながら旅をする――そんな夢のような話が、実は政府間協定で認められた制度だとご存じでしょうか。2025年現在、日本人は30カ国・地域で最長1~2年間の滞在が可能で、年間約2万人がこの制度を利用しています。
しかし、SNSで見かける「自由で輝くワーホリ生活」の裏側には、知られざるルールや準備の壁が存在します。
- 30歳を過ぎたら絶対に参加できない?
- 英語が苦手でも仕事は見つかる?
- 実際に必要な資金はいくら?
この記事では、ワーキングホリデーの制度の本質を、協定国の最新リスト・ビザ申請の手順・現地生活のリアルなスケジュールまで、一切の美化なしに解説します。
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ワーキングホリデーとは?基本をわかりやすく解説

ワーキングホリデー(以下、ワーホリ)は、18~30歳※の若者を対象に、海外で「働く」「学ぶ」「旅する」を組み合わせた滞在を可能にするビザ制度です。
観光ビザではできない「現地就労」が許可され、最長1~2年間の滞在が可能です。
※ROワーホリの場合、18~35歳まで申請可能
制度の目的
ワーキングホリデーは、若者の文化交流と相互理解を促進することを目的とした政府間協定です。外務省によると、この制度を通じて「異文化体験を深め、国際的な視野を広げる」ことが期待されています。
歴史
日本は1980年にオーストラリアと初めてワーキングホリデー協定を締結しました。その後、協定国は年々増加し、2025年現在では30カ国・地域に拡大しています。
特に近年は、アジア圏(韓国・台湾・香港)との協定が増え、費用を抑えたワーホリが可能になりました。
主な特徴
ワーキングホリデーの最大の特徴は、自由度の高さです。以下に具体的な特徴を挙げます。
就労許可
現地でアルバイトや短期就労が可能です。職種制限は基本的にありませんが、国によっては特定業種での就労でビザ延長が可能です(例:オーストラリアの「セカンドワーホリ」)。
例: オーストラリアでは、農業や観光業に従事することで、2年目のビザを取得できます。
学びの機会
語学学校に通うことも可能です。カナダでは最大6ヶ月まで、オーストラリアでは4ヶ月まで通学が認められています。
例: シドニーの語学学校に通いながら、週3日カフェでアルバイトする生活が可能。
滞在期間
最長1~2年間の滞在が可能です。国によって異なるため、事前に確認が必要です。
- 例: イギリスは最大2年間、ニュージーランドは1年間。
注意点: ワーキングホリデービザは、1人1国1回が原則です。
※令和6(2024)年12月1日以降、5か国(カナダ、英国、ニュージーランド、デンマーク及びオーストリア)については、一生涯2回若しくは2年連続、又は、一生涯2回の参加が可能となりました(国によって条件が一部異なります)。
※令和7年(2025)年1月1日以降、3か国(ドイツ、アイルランド及びスロバキア)については、一生涯2回の参加が可能となりました(国によって条件が一部異なります)。
(外務省ホームページより)
【対象者】ワーホリに参加できる条件とは?
年齢制限は18~30歳が基本

ワーキングホリデーの年齢制限は、18~30歳が基本です。ただし、一部の国では、到着時点で年齢制限を満たしている必要があります。
例: オーストラリアでは、申請時に30歳未満であれば、到着時に31歳になっていても問題ありません。
注意点: 年齢制限は厳格に適用されます。1日でも超えると参加できないため、早めの計画が重要です。
就労期間の制限や禁止職種に注意

ワーキングホリデーでは、現地での就労が許可されていますが、いくつかの制限があります。
同一雇主での就労制限
オーストラリア: 同一雇主での就労は6ヶ月までです。これを超えるとビザ違反となり、強制送還のリスクがあります。
カナダ: 同一雇主での就労は12ヶ月まで可能です。
禁止職種
違法労働(例:風俗業・不法就労)は厳禁です。また、ビザ条件に違反する労働(例:同一雇主での就労期間超過)も禁止されています。
その他の必須条件

ワーキングホリデーに参加するためには、以下の条件を満たす必要があります。
資金証明
国ごとに必要な資金額が異なります。
オーストラリア: 約5,000豪ドル(約50万円)の証明が必要です。
カナダ: 約2,500カナダドル(約25万円)の証明が必要です。
健康診断
イギリスなど、結核検査が必須の国もあります。健康診断の結果によっては、ビザが発給されない場合もあります。
海外旅行保険
医療費が日本の10倍以上かかる国もあり、保険加入は必須です。
例: オーストラリアでの歯科治療は高額で、親知らずの抜歯に15万円以上かかることも。
注意点: 資金証明や保険加入は、ビザ申請時に審査されます。虚偽の申告をすると、ビザが取り消されるリスクがあります。
ワーホリで行ける主な対象国一覧(2025年現在)

2025年現在、日本がワーキングホリデー協定を結ぶ主な国・地域は以下の通りです。
地域 | 国・地域名 |
---|---|
オセアニア | オーストラリア、ニュージーランド |
北米 | カナダ |
ヨーロッパ | イギリス、フランス、ドイツ、アイルランド、デンマークなど21ヵ国 |
アジア | 韓国、台湾(地域)、香港(地域) |
南米 | アルゼンチン、チリ、ウルグアイ |
ワーホリビザの取得方法と申請の流れ
ビザ申請の基本ステップ

協定国選択: 目的別のおすすめ国例
ワーキングホリデーを成功させるためには、自分の目的に合った国を選ぶことが重要です。以下に、目的別のおすすめ国を紹介します。
- 英語力向上を目指す場合:
- オーストラリア: 求人数が多く、英語環境での仕事が豊富。
- カナダ: 多文化社会で、英語とフランス語の両方を学べる機会がある。
- 費用を抑えたい場合:
- 台湾: 物価が安く、アジア圏で手軽に挑戦できる。
- 韓国: 日本から近く、航空券や生活費が比較的安い。
必要書類の準備
ワーキングホリデービザの申請には、以下の書類が必要です。
- パスポート: 残存期間が6ヶ月以上あること。
- 英文の残高証明書: 国ごとに必要な金額が異なります。
- オーストラリア: 約5,000豪ドル(約45万円)以上。
- カナダ: 約2,500カナダドル(約25万円)以上。
- ビザ申請フォーム: オンライン申請が主流です。
- 例: オーストラリアの「Subclass 417」、カナダの「IEC」。
申請方法
- オンライン申請: オーストラリアやカナダなど、多くの国でオンライン申請が可能です。
- オーストラリア: 「ImmiAccount」というポータルサイトから申請。
- カナダ: IECプログラムの抽選に当選後、オンラインで申請。
- 大使館申請: フランスやドイツなど、一部の国では大使館での申請が必要です。
ビザ審査期間の目安

ビザの審査期間は、国によって大きく異なります。以下に、主要国の審査期間の目安を紹介します。
- オーストラリア: 1~2週間。
- カナダ(IEC): 抽選待ちを含め3~6ヶ月。
- イギリス: 3週間~1ヶ月。
注意点: 虚偽の申告(例:偽造の残高証明)をすると、ビザが取り消されるリスクがあります。必ず正確な情報を提供しましょう。
知らないと危険!ワーホリ就労の注意点
賃金トラブルのリスク

最低賃金の確認
現地での就労では、最低賃金を下回る賃金で働かされるケースが多発しています。以下に、主要国の最低賃金を紹介します。
- オーストラリア: 時給24.10豪ドル(2025年現在)。
- カナダ: 州によって異なります。(Retail Council of Canadaより)
- ブリティッシュコロンビア州: 時給17.40カナダドル。
- オンタリオ州: 時給17.20カナダドル。
未払い対策
賃金未払いを防ぐためには、以下の対策が有効です。
- 雇用契約書の作成: 就労前に、勤務条件や賃金を書面で確認する。
- 記録の保存: 勤務時間や給与明細を記録し、トラブル時に証拠として提示できるようにする。
例: オーストラリアでカフェスタッフとして働く場合、時給24.10豪ドルが保証されていることを契約書で確認する。
ビザ延長ミスで強制送還の可能性

オーストラリアの「セカンドワーホリ」
オーストラリアでは、特定の条件を満たすことで、2年目のビザを取得できます。
- 条件: 地方(指定地域)で、農業・建設業・観光業など指定職種に88日間従事する。
- 必要な書類: 雇用主からの証明書(勤務日数・職種を記載)。
注意点: 偽装就労(例:実際には働いていないのに証明書を発行してもらう)が発覚すると、ビザが取り消され、強制送還されるリスクがあります。
ワーホリは英語話せなくても大丈夫?
英語力が不要な仕事とは?

英語が苦手でも、以下の職種であれば比較的簡単に就労できます。
農業
仕事内容: 果物の収穫・パッキング作業。
特徴: チームで作業することが多く、英語ができなくても指示に従えば問題なし。
例: オーストラリアのファームジョブでは、日本人スタッフが多く、日本語でコミュニケーションが取れる場合も。
飲食店
仕事内容: キッチンハンド(皿洗い・食材準備)。
特徴: 接客業務がないため、英語力が低くても対応可能。
例: カフェやレストランのバックヤードでの仕事は、英語力がなくても始めやすい。
清掃業
仕事内容: ホテル・オフィスの清掃。
特徴: マニュアル化された作業が多く、英語力が求められない。
例: シドニーのホテル清掃スタッフとして働く場合、英語力よりも体力や丁寧さが重視される。
注意点: 英語力がなくても働ける職種はありますが、賃金が低い傾向があります。英語力を少しでも上げることで、より良い条件の仕事に就ける可能性が高まります。
英語ができないと困ること

英語力が低いと、現地生活で以下のような課題に直面する可能性があります。
住居探し
課題: 現地の不動産サイトや大家との交渉が困難。
対策: 日本人向けのシェアハウス情報サイト(例:Flatmates.com.au)を活用する。
医療機関
課題: 症状の説明や保険手続きに苦労。
対策: 海外旅行保険の24時間サポートを利用する。また、症状を簡単な英語で説明できるよう、事前にフレーズを覚えておく。
日常生活:
課題: スーパーでの買い物や公共交通機関の利用が不便。
対策: 現地の生活に慣れるまで、日本語が通じる場所を活用する(例:日本人向けスーパー)。
対策: 渡航前に基礎英語を習得
英語力に不安がある方は、渡航前に以下の基礎英語を習得しておくことをおすすめします。
- 自己紹介: 名前・出身地・趣味などを簡単に説明できるようにする。
- 数字: 値段や日付を聞き取れるようにする。
- 緊急用フレーズ: 「助けてください」「病院に行きたい」などのフレーズを覚える。
例: オンライン英会話やアプリ(例:スタディサプリ)を活用し、毎日30分程度の学習を続ける。
よくある質問Q&A|ワーホリの疑問を解決!

ワーキングホリデーに関するよくある質問とその回答を紹介します。
Q1. 大学生でも参加できますか?
→ 可能です。多くの大学生が休学制度を利用してワーキングホリデーに参加しています。僕自身も現役大学生ですが参加予定です。
- 例: 慶應義塾大学や早稲田大学では、「グローバル休学」制度を設けており、1年間の休学が認められています。
- 注意点: 大学によっては、休学中の単位取得が認められない場合もあるため、事前に確認が必要です。
Q2. 恋人と一緒に住むことはできますか?
→ 法的には個別申請が必要ですが、事実婚と証明できれば同居可能な国もあります。
- 例: オーストラリアでは、事実婚(De facto relationship)と証明できれば、同じ住居に住むことが認められます。
- 注意点: 事実婚の証明には、共同口座の利用記録や同居期間の証明書が必要です。
Q3. 現地で病気になったらどうすれば?
→ 海外旅行保険の24時間サポートへ連絡し、指示に従いましょう。
- 例: 歯科治療は高額(親知らず抜歯で15万円~)なので、渡航前に歯科検診を受けておくことが重要です。
- 対策: 保険証や緊急連絡先を常に携帯し、現地の医療機関の場所を事前に確認しておく。
まとめ|ワーホリは余裕を持った準備が成功の鍵!

ワーキングホリデーは、異文化での挑戦を通じて自己成長を促す貴重な機会です。しかし、その成功は「正確な情報」と「綿密な準備」にかかっています。
現地での失敗を防ぐためにも、必ず最新のビザ情報を確認し、余裕を持った資金計画を立ててください。世界は、一歩踏み出すあなたを待っています。
海外旅行やワーホリに行く時に2枚はクレジットカードを用意しておくことをお勧めします!
以下の記事では年会費無料の持っていくべきクレジットカードを紹介しています。
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